思考訓練の競馬

私が学生時代愛用していた英語参考書のバイブル「思考訓練の場としての英文解釈」からの連想で名付けたサイト。 競馬は自らの思考トレーニングの場として楽しむ。

にほんブログ村 競馬ブログへ
にほんブログ村

函館記念2019 簡単レース回顧 ~ いつもと変わらない風景


近走で逃げたことのある馬がマイスタイル、ドレッドノータス、マイネルファンロンのみだったが、中でも一番内で能力上位なマイスタイルが迷わずハナへ。

内枠の先行勢が順に位置取り、大きな動きなく4コーナーまで流れ、先行した2頭のたたき合いに。

過去の函館記念をリプレイするかのように、内枠の先行勢の上位独占。

また改めて確認できたのは、このコースで16頭立ては内枠有利だが、こと1枠に限っては突っ張ていかないと好位がとりづらい分低調な成績が続いている。

今年もレッドローゼスのようなそこまで出足の速くないタイプだと、ワンポジション後手になりやすい。

対照的に2枠と3枠が今年を含めた過去10年で、7勝と好相性。

このように内枠有利でも1枠に限っては不利というコースは他にもあるはずなので今後検証したいと思う。


勝ち馬マイスタイルはこれで小回り(4-3-2-4)に対し、大回り・外回り(1-1-0-6)と典型的な小回り持続ラップ巧者だ。スロー必至なら逃げてぺースを作ればいいし、速いなら速いで2,3番手でマイペースを刻めばいいので、小回りでは弱点を見つけづらい。

今回は前後半59.8 - 59.8と全くのイーブンペースで運べたのが絶妙で、前のしぶとい馬も残れるが、後ろも足がたまらない展開に持ち込んだ。ただ前半3Fの36.3は過去10年の当レースで最も遅いラップで、この前半のわずかなゆとりが先行勢上位独占の助けなっただろう。


2着マイネルファンロンと3着ステイフーリッシュはこのレースで毎年穴を開けるロベルトとノーザンテーストの血を保有していた。ともに好位をとれたのが好走要因だが、ロベルト的な馬は切れ味に乏しく、自然と好位で運ぶ戦略をとることもあるだろう。

この2頭に関しては枠が逆なら着も逆の可能性はあったかもしれない。



参考動画:函館芝2000mのデータ分析

ダービーとオークスからPOG&馬券戦略を考える

2473A067-D184-40B4-85C7-19893B202611

2019年の上半期が終わって時間が経ちましたが、セレクトセールやPOG馬選びなど、先を見据えた選択の機会が多くなる時期です。

クラシック戦線の最大目標のダービーとオークスはいずれも東京競馬場で行われるため、東京競馬場の芝コンディションが運命を握ります。

2019年の上半期を振り返ったときに、個人的にもっとも印象的だったのが東京芝の超高速化現象。

G1が行われるたびにコースレコードやレースレコードが更新され、オークスもダービーも例外ではありませんでした。

 しかし興味深いのが、武豊騎手の武豊TVにおける発言。

レコード連発の馬場に驚愕するとともに、決して”硬い馬場”には感じないと言うのです。にもかかわらず不思議とタイムが出ると。

馬場造園課の方たちは、エアレーション作業など柔らかい馬場作りを志向しているものの、排水性の向上など良好な馬場状態の維持されやすくなっているので、今秋も来春も今回のようなレコード連発馬場は起こりうるでしょう。

となると、強い馬の定義が変わってきます。

馬券でも、馬の取引でも、POGでも、トレンドに合わせて強い馬の定義を変えていく柔軟性が重要になります。

具体的に、今年のダービーとオークスを血統面から注目しましょう。

図1.
PNGイメージ


このように父ディープインパクトに対して、母父にDanzig系とStorm Cat系の血を持つ馬が人気を問わず活躍。

Danzig系もStorm Cat系もNorthern Dancer系の中でもスピードとパワーに長けたタイプ。

同様のタイプのVice Regent系のクロフネを持つ血もマイル戦線では大活躍しました。

ノームコア(母父クロフネ)(5人気1着)
アエロリット(父クロフネ)(3人気2着)
プリモシーン(母父Danzig系)(4人気2着)
カテドラル(母父Danzig系)(7人気3着)

Danzig、Storm Cat、Vice RegentいずれもNorthern Dancer系で共通し、アメリカンなスピードとパワーを持ち、マイル以下での活躍の目立つ血です。

これらの血を血統表の近いところに保有する馬が、高速馬場をスピードで押し切るというのが春の東京G1で繰り返された光景でした。

スピードの重要性が叫ばれて久しいとこですが、より一層のスピードが中距離でも要求されており、クラシックの大舞台を制するには、サンデー系というのは必要条件でしかなく、それに加えて北米のスピード系Northern Dancer系の血が物を言う時代と言えます。



七夕賞を前走距離で攻略する

CBA09E2B-9937-4FBC-ADCC-7B79F5D1157B

今週は七夕賞。

荒れる重賞で有名なのでこぞって穴パターンを皆さんあげていますね。

ここではあまり言及されていない前走距離に着目します。

*データ取得範囲について
七夕賞に限定するとサンプルが非常に少なくなりますので、過去10年分の福島芝2000mの1000万クラス以上を対象にします。それでもサンプル数は48レース。

図1.  
福島芝2000m 前走距離ごと成績

横軸が複勝率、縦軸が複勝回収率ですが、前走1400m~1600m組の両数値の高さが際立ちます。

1400m~1600mが高い数値ですが、内訳としては1600m組が大半です。

前走1600m組に限定すると、
レース一覧・前走平地距離:1600m

前走距離:1600m 

勝率連対率複勝率単回値複回値平均着平人気サンプル数
11.418.230.73641977.08.988


このように恐るべき好成績。

人気をはるかに上回る成績で回収率が高い。

これをもう少し掘り下げてみましょう。

前走1600mの場所


前走1600m組の内訳を見ると、今回3着以内のうち約50%が前走東京組なんです。

すなわち前走マイルというより、前走東京マイルと言ってもいいかもしれません。

実際にデータを見ると以下のようにすごい値。
レース一覧・前走平地距離:1600m

前走:東京×1600m

前走場所 勝率連対率複勝率単回値複回値平均着平人気 総数
東京20.026.743.35923056.08.630


確かに過去の七夕賞でも、パワーポケット、オリオンザジャパン、アスカクリチャンのような到底論理的には拾いづらい馬が該当します。

パワーポケットとオリオンザジャパンはダートという点も興味深いところ。


前走1600m組の前走成績


次に前走1600m組は前走で好走したのか、凡走したのかをチェックしましょう。


図2. 
前走1600m組の前走着順

これを見ると、前走10着以下つまり大敗組の成績が前走好走組よりも良いことが明らかです。

前走大敗組なので回収率が高くなるのはまだ分かりますが、複勝率がむしろ倍ほど高いので、前走で大きく負けている方が今回好走しやすいことがわかります。


この不可解な関係性をつなぎ合わせると、東京のような直線が長く・瞬発力の要求されるコースで大敗していることは、裏返せば小回りで持続力勝負に強いことを意味すると考えられます。


2019年の今年は前走マイル大敗組はマルターズアポジーのみ。惜敗組ではゴールドサーベラスが該当。

ただ前走東京マイル組は不在。

しかしこのデータは福島芝2000mの1000万クラス以上を対象にしたので、七夕賞に限らず使える傾向です。


逃げ・先行を買えば儲かるをクラス別で確かめる ダート編

IMG_1936


逃げ・先行馬を買えば儲かる!

競馬を攻略する格言のように語られますが、果たして本当にいつでもそうなのか?

というギモンを解消する企画。

今回はダート編です。例によって脚質成績をレースのクラス別に比較していきます。


芝編はこちらです↓

複勝回収率



まずは複勝回収率を見ましょう。

脚質×クラス(ダート) (1)
集計期間 : 2014/07/04 ~ 2019/06/30 8278レース(リステッド競争除く)

ざっくり言えば、クラスが上がるほど、逃げ・先行の回収率は落ちています。

ただ細かく見ると、500万→1000万、OPEN→重賞でくいっと上昇します。

しかしいずれにしても、逃げ・先行グループがすべてのクラスにおいて、ほぼ100%以上の複勝回収率をたたき出しています。

特に、新馬・未勝利での逃げ・先行グループの儲かり度は顕著。芝でも新馬・未勝利での回収率の高さは見られたが、せいぜい125%未満だったことを考えると、逃げ・先行狙いで儲けたい人はダート下級条件が最適。(どんな馬が逃げ・先行策をとるのか、は今後の課題とします)

ただ一点、OPENにおいては逃げ・先行グループの回収率が100%を割っています。

これはダートコースの中で逃げ・先行の優位性が相対的に低いという意味で、異質な東京コースの割合が下級条件よりもOPENでは増えることが影響していると思われます。

ただ重賞も同様に東京コースの比率が高いにもかかわらず、逃げ・先行グループの回収率が良いので、ここは解釈の微妙なところ。



複勝率



次に複勝率も確認しておきましょう。

脚質×クラス(ダート)
集計期間 : 2014/07/04 ~ 2019/06/30 8278レース(リステッド競争除く)

おおむね回収率と比例する形となっていて、追加で得られる洞察は少なそうですね。

ただ回収率では1000万クラスで上昇していましたが、複勝率では新馬からOPENまではキレイに右肩下がりの傾向が読み取れます。

青いラインが一定であることから、ダート戦はクラスによる頭数のバラつきが少ないことがわかり、右肩下がりの赤いラインをそのままの形で解釈しても問題はなさそう。


以上をまとめると

  • 芝よりもダートの方が逃げ・先行グループは儲かる
  • 特に新馬・未勝利
  • クラスが上がれば逃げ・先行の回収率は落ちていく

逃げ・先行を買えば儲かるをクラス別で確かめる 芝編

IMG_1935


逃げ・先行を買い続ければ儲かると言われるが、確かに回収率を見ればそれは明らか。

しかし、それは全般的な傾向であって本当にいつでも逃げ・先行が儲かるのか?という点が問題になる。

今回はレースのクラスによって、脚質傾向の変化を確かめる。

複勝回収率


クラス×脚質 (芝) (2)
集計期間 : 2014/07/05~2019/06/30  サンプル数8366レース

赤いラインに注目すると、逃げ・先行馬が儲かるというのは、重賞以外については当てはまることが分かる。重賞以外では複勝回収率で100%越えでベタ買いでも儲かる計算だ。

(ただし、青いラインを見れば分かるように、脚質によらず複勝回収率自体がG2以上では落ち込んでおり、それに対応する形で逃げ・先行の回収率も動いている)

それでも複勝の還元率が80%であることを考慮すると、いずれのクラスでも水準以上に儲かることが見て取れる。

また青のラインと黄色のラインの幅が大きくなるのが、新馬・未勝利・OPEN・G1の4クラス。

複勝率

次に複勝率の観点から脚質とクラスの関係を探りたい。

クラス×脚質 (芝) (1)
集計期間 : 2014/07/05~2019/06/30  サンプル数8366レース

回収率の時と同様に複勝率も、新馬・未勝利では逃げ・先行が圧倒的。


その差が500万クラスで一気に縮まり、OPENまでは一定だが、重賞になると様子が変わる。

中団以下グループ(黄)がほぼ平坦なのに対して、逃げ・先行グループ(赤)が重賞以上でガクッと落ち込む。

青いラインは全脚質の複勝率なので、要するに頭数に比例します。重賞以上では頭数が多くなることが読み取れ、逃げ・先行グループもそれに連動して下降するわけですが、中団以下のグループでその落ち込みが小さいのが特徴。



補足として注意したいのは、*1.逃げ・先行グループの方が1レースに占める頭数は少なくなるので、複勝率の絶対値が高くなるのは当然なのだが、この赤ラインと黄色ラインの差に注目で見えてくるものがあるはずだ。

(*1. Targetの脚質分類は、逃げやマクリを除いて、馬群を3分割して、先行・中団・後方に分けるのでたとえば16頭立てで逃げ1頭なら、先行・中団・後方が各5頭ずつになるが、この時先行がすべて馬券内に来れば 3 / 5 = 60%だが、中団・後方でまとめているので 最も良くて 3 / 10 = 30%にしかならない。

参照:TARGET frontierJV(ターゲット) | 脚質分類 )


以上をまとめると、

  • 新馬・未勝利は複勝率・複勝回収率ともに明らかに高い
  • 500万で逃げ・先行と中団~マクリの差は縮まるが、その差は1600万までは一定
  • OPEN以上では逃げ・先行グループの複勝率は落ちるが、回収率の差は落ちず儲かる
プロフィール
◆Thinker 大阪大学出身 27歳 競馬を愛するノマドワーカー。
◇データや傾向の具体的な知識にのみ頼るのではなく、演繹的思考から得られる理論・理屈を重視しています。

私の競馬履歴
◇私の競馬の見方に強く影響を与えているモノ
・「推測と反駁-科学的知識の発展-」
  (著 カール.R.ポパー)
・「サラブレッド配合史」(著 笠雄二郎)
・「血は水よりも濃し」(望田潤の競馬blog)
Ad